書籍目録

『エヴォラ版書簡集』ファクシミリ版と解説

ガルシア編・解説

『エヴォラ版書簡集』ファクシミリ版と解説

全2巻 1997年 マイア刊

Garcia, José Manuel (ed.)

Cartas que os padres e irmãos da Companhia de Iesus escreuerão dos Reynos de Iapão & China aos da mesma Companhia da India, & Europa, des do anno de 1549 atè o de 1580. (Edição fac-similada da ediçãdo Évora, 1598)

Maia, Castoliva editora, 1997. <AB2020218>

Sold

2 vols. 19.0 cm x 27.0 cm, Vol.1: pp.[1-2(blank), 3(Half Title.), 4, 5(Title.),6-11], 12-43, double pages map, 1 leaf, Title. for facsimile, 1 leaf, 481 numbered leaves. / Vol.2: Half Title., Title., 2 leaves, 267 numbered leaves, Original publishers boards with dust wrappers.

Information

 本書は、イエズス会による日本書簡集の普及の名作として、通称「エヴォラ版」として知られる1598年にポルトガルのリスボンで出版された書簡集を、浩瀚な解説を付してファクシミリ版として1997年に出版したものです。


「第一巻は「日本とシナ国のイエズス会司祭、修道士がインド、ヨーロッパの同会員に書き送った1594年から1580年までの書簡集」と題される。第二巻は表題には記されていないが、1581年4月14日付、都発信のフロイス書簡から、年報を主とし、1589年、山口に関するフランシスコ・ペレスの書簡までを収めている。二巻を合本にしたものと、別々にしたのがあり、タイトルやノンブルが少しく異なる二種があるところから、おそらく1598年に同じポルトガルのエーヴォラでマヌエル・デ・リラにより2度印刷されたものと推察される。表題にあるように本書簡集は、エーヴォラの大司教ドン・テオニオ・デ・ブラガンサの命令で出版されたのであるが、同司教は1584年の秋、伊東マンショらいわゆる天正遣欧使節の日本人一行をエーヴォラで迎え、大いに日本に対して好意を抱きかつ関心を持つに至ってこの日本書簡集を出版することにしたのである。初期の日本からのイエズス会員の書簡、年報の多くは原文がポルトガル語であったこともあり、また非常に内容が正確であることから、リスボアのイエズス会東インド管区の本部にあった文書を収録したかと推察されるのであるが、印刷刊行までには幾人かの手を経ているから日本の地、人名等について相当な混乱が見られる。(中略)
 なおエーヴォラ版の表題には、「日本とシナからの」とあるが、それは、二巻を通じて209通の文書のうちには、例えば冒頭は、ゴア発信の1549年1月20日付、フランシスコ・ザビエルの書簡であるし、その他、マラッカ、コチン、マカオ発信の日本関係の書簡がかなり収録されているからであって、表題を簡略化して言えば、純然たる「イエズス会の日本報告書集」である。」
(松田毅一監訳『16・17世紀イエズス会日本報告集:第一期第一巻』同朋舎出版、1987年、解説xvi-xv頁より)