書籍目録

①『アメリカ合衆国領事手引き』/ ②『アメリカ合衆国領事体系』

①ヘンショー / ②匿名

①『アメリカ合衆国領事手引き』/ ②『アメリカ合衆国領事体系』

②の改訂版(1868年版)コピー本が付属。 ①1849年 / ②1856年 ①ニューヨーク刊 / ②ワシントン刊

①Henshaw, J. Sidney / ②Anonymous.

①A MANUAL FOR United States CONSULS:... / ② THE UNITED STATES CONSULAR SYSTEM: A MANUAL FOR CONSULS, ...

①New York / ②Washington, ①J. C. Riker / ②Taylor and Maury, ①MDCCCXLIX(1849) / ②1856. <AB2020191>

Sold

①12mo (9.5 x 15.0 cm)/ ②8vo (14.0 cm x 22.0 cm), ①pp.[i(Title.)-iii], iv-x, [11-13], 14-252, 1 errata leaf, 2 leaves. / ②2 leaves, pp.[i(Title.)-iii], iv, [5], 6-24, [1-3], 4-347, [*1], *2-*79(Forms), [i], ii-xviii(index), 2 leaves(blank), ①Original embossed cloth / ②Contemporary three quarter calf on marble boards.

Information

 このコレクションは、19世紀以降になってアメリカが国外に領事を派遣する機会が増えたことに伴って、錯綜する関連法規や公式書類書式が増大し、領事にとって自身の職務を適切に把握することが困難になりつつあったという状況に対応するために刊行された手引書2点(①1849年刊②1856年)と1868年版のコピー本のセットです。

 ①1849年の小型本(Manual for United states Consuls)がアメリカにおいて出版された領事ガイドの最初のものと思われ、その後タイトルを変更(The United States consular system)して大幅に内容を増補した②である1856年本が刊行され、さらに②の「第2版」として③1868年にタイトルを変更(The United States consul’s manual)した改訂版が刊行されていることが確認できます。①はもともと国外に派兵される海軍のための講義が元になっており、領事だけでなく軍人や商人といった在外活動を行うアメリカ人を読者対象としているように見受けられます。

 これらの出版物は、19世紀半ば以降に急速に発達するアメリカの領事制度の歴史と、当時派遣されるアメリカ領事がどのような法規の元にあったかを理解する上で非常に重要と思われますが、国内の所蔵は見たところ皆無で、これまで幕末の外交史研究でも注目されたことがないものと思われます。改訂版が刊行されれば読み捨てられる性質の書物であることから、現存部数が極めて少ないことからも貴重な書物と言えそうです。

 なお、③以降にどのような改訂版が刊行されたのかについてはさらなる調査が必要です。