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・水路局作成の海図として最初期の作品。
・1871年(明治4年)4月から、測量艦「春日」が、英測量艦シルヴィア号とともに行った北海道沿岸測量成果で、この時の成果が日本で最初の海図刊行(第1号から第8号)に結実した。本図はその内の一つ。
・柳楢悦による測量、大後秀勝による製図の成果が具現化した最初の海図群の一つで、最初期の日本製海図の特徴(英図を模した表現方法と狩野派絵師による独自の表現の折衷等)が見られる貴重な図。
・最初期の日本製海図作成の背景とその特徴については、今井健三「英国海図を模範として発展した日本海図ー明治初期の日・英海図の表現法を比較して」日本地図学会『地図』第51巻4号、2013年所収、ならびに、同「明治初期海図の製図方法についてー西洋地図学との出会いとその導入をめぐってー」『東京大学資料編纂所紀要』2014年所収、を参照。
・現存数はかなり少ない模様。本図含む、水路局による初期作成海図が合冊され『大日本海岸実測図』の表題を持つ冊子が、内閣文庫、海上保安庁水路部、国立国会図書館に所蔵されている(国立国会図書館編著『稀本あれこれ:国立国会図書館の蔵書から』出版ニュース社、1994年、342頁参照)。