書籍目録

『日本誌』

ケンペル

『日本誌』

特別大型紙版 全2巻(1冊) 1728年 ロンドン刊

Kaempfer, Engelbertus

THE HISTORY OF JAPAN: Giving an Account of The antient and present State and Government of that EMPIRE;...Together with a Description of the Kingdom of Siam....With the LIFE of the AUTHOR and an INTRODUCTION....

London, Printed for the PUBLISHER, and sold by THOMAS WOODWARD...and CHARLES DAVIS, MDCXXVIII.(1728). <AB201769>

Sold

Large paper deluxe edition.

Folio (31 cm x 51 cm), 2 vols. bound in 1 vol. Front, Title of vol. 1, 2 leaves (dedication), pp. [i], ii-iv, 3 leaves (subscriber's list & contents), pp. [v], vi-lij, [1], 2-391, 2 leaves (explanation of the plates): double pages plates; [17], plates; [4]. Title of vol. 2, 1 leaf (contents), pp. 393-612, [1], 2-75(first appendix),Title of second appedix, pp.1-11, 5 leaves (explanation of the plates & index of both vols.), 1 leaf (blank) : double pages plates; [23], plates; [1] Contemporary full calf.

Information

極めて稀覯な特別大型紙版

 ケンペル(Engerbertus Kaempfer, 1651 - 1716)は、オランダ東インド会社員の出島商館医師として、1690(元禄3)年に来日し、1692年10月まで滞在しましたが、彼が膨大な研究成果とコレクションに基づいて『日本誌』を著したことはあまりにも有名です。生前に刊行されることのなかった遺稿を英訳して刊行した同書は、大型フォリオの2巻本として、18世紀ヨーロッパの日本像を決定づける「古典」としての地位を獲得し、広く、長くその影響力を発揮したことは、今更繰り返す必要のないほど言われてきたことです。

 このあまりにも有名な『日本誌』は、当然ながら多くの日本国内研究機関に所蔵されており、またファクシミリ版などの復刻版も何度も出されています。その意味では、『日本誌』自体はその著名度の故に、現在でも比較的目に触れやすい、(金額という点さえ考慮しなけらば)入手しやすい資料でもあります。しかしながら、この書物に特別な大型紙で作成された特別版が存在することは、あまり知られていません。もともと、『日本誌』は大型のフォリオ、しかも2巻本からなる大著として刊行されていますが、これよりもさらに大きな特別紙に印刷されていた特別版が、極めて少部数ながら作成されています。とはいえ、その部数の少なさから、これまで市場に出回ることはおろか、その存在を確認することさえも非常に困難と言われていたものです。

 ここにご案内する大型特別紙版は、全2巻を1冊に合冊したもので、通常版2巻本と比べると、驚くほど大きいことに気づかされます。活字や図版自体は、通常版と同じものを用いていることから、内容に相違はないと思われますが、余白部分が非常に大きく、また上質の紙を用いているものと思われます。装丁も綴じの状態も非常に良いもので、ただでさえ稀覯とされる大型特別紙版で、これだけ状態の良いものが出現することは、少なくとも近年にはなかったと言えます。あまりにも有名な書物であるがゆえに、その存在が広く認知されず、またこれまで本格的に研究されてこなかった極めて重要な資料として大変価値ある書物です。

右が通常の2巻本。通常のものでも長辺約35cm、短辺約22cmとかなり大きい書物だが、大型特別紙版は、長辺約51cm、短辺31cmと、通常版が小さく見えてしまうほど大きい。
有名なタイトルページだが、余白部分が通常版と全く異なる。
第1巻タイトルページ
第2巻タイトルページ。大部の著作を1冊にまとめてある。
サイズの大きな図版も折り込むことなく収録されている。
付論第2部のタイトルページは独立したものとなっている。