書籍目録

『蝦夷物語 全』

渡辺月石 / (高田屋嘉兵衛)

『蝦夷物語 全』

謄写複製私家版(非売品) 1938(昭和10)年(原書は1825(文政丙戌)年か) 出版地不明

<AB201976>

Sold

Facsimile edition, not for sale.

18.0 cm x 25.7 cm, 111丁(ただし、第49丁にあたる箇所が欠落しており、そこに誤って第34丁が重複して綴じられている。また、第77丁にあたる箇所に「78」表記があり、以降1丁ずつ表記がずれる(これについては注意書きが付されており「落丁に非ず」とある), Bound in Japanese style.

Information

「高田屋嘉兵衛弟兄の談なるを録記せる実に生々しい物語」

「淡路が生んだ日本的否世界的偉人高田屋嘉兵衛翁生涯に於ける事績は幾多口得文献に依り傳彰せりと雖も独り本書は淡路由良浦篤学渡辺石月翁が嘉兵衛弟兄の談なるを録記せる実に生々しい物語であって他の文献に見る能ざる秘書なり今日偶々此得難い原本を発見するに至り更らに偉人の事歴を顕揚せんと茲に謄写複製を企て希望同士に頒つ事とせり。」
(本書冒頭より)

「此蝦夷談はさる人親しく高田氏の家弟なる人に問しききを石亭先生に書記を乞うて綴れる其真書を求め写し其処彼是の写し反故の端物の隅々より捜し出して是に並べ次いて猶又自耳底の耳糞をさらえて遺漏を補い全備せしめて文政丙戌の秋半山月の影を送り海月の光を迎えて浄書し畢れぬ。」
(本書37、38丁より)

「淡路地誌『堅盤草』の著者として知られる渡辺暠(月石)が嘉兵衛の兄弟から聞いた話などをもとに、秦嘉泉なる人物が対ロシアとの外交関係について記述したもの。ゴローニン事件を中心に、それ以前のレザノフの根室来航、文化3年(1806)・4年のロシア船によるカラフトやクナシリ、エトロフ島への来襲に関する記事がある。また、文化元年に長崎に来航したレザノフらロシア人や船の図などが描かれている。」

(高田屋嘉兵衛展実行委員会編『特別展 豪商 高田屋嘉兵衛』2000年、144頁172番「蝦夷物語」解説より)