書籍目録

『西洋楽譜 新撰箏曲全集 第一集』 / 『西洋楽譜 新撰箏曲全集 第二集』(揃い)

菊田歌雄 / 黒田米次郎

『西洋楽譜 新撰箏曲全集 第一集』 / 『西洋楽譜 新撰箏曲全集 第二集』(揃い)

第二集は明治43年の再版 1909(明治42)年(第一集) / 1913(大正)2年(第二集) 大阪刊

COLLECTION JAPANESE KOTOMUSIC.

<AB201929>

Sold

2 vols. 22.5 cm x 30.5 cm, Vol.1: Title., pp.1-47, 1 leaf (advertisement / colophon), 3 leaves(lyrics), Vol.2: Title., pp.1-45(Verso: advertisement), 2 leaves(colophon / lyrics), Original pictorial cloth boards.

Information

「明治21(1888)年東京音楽学校(旧文部省音楽取調掛)は箏曲を五線譜化した『箏曲全集』を上梓し、日本音楽を「普通の譜」を通して世界に発信することを試みた。邦楽の採譜は以降、田中正平(1862-1945)や田邊尚雄(1883-1984)らによって進められ、日本音楽研究上重要な事績となるが、その応用編ともいうべき「和洋折衷」の試みも現れる。明治23(1890)年、海軍軍楽隊から刊行されたシリーズ Japanische populäres Lied für Gesang mit Shamisen-Begleitung(8冊)がそれである。一等軍楽手吉本光蔵(のち軍楽長、1863-1907)の採譜編曲によるもので、歌のパートに歌詞の記載はなく洋楽器での演奏が想定されているようだ。日本音楽をこのようにして「改良」する方法は、大正期に至るまで盛んに採用され、多くは「ヴァイオリン音譜」として刊行された。「調和楽」ともよばれて、長唄や箏曲の洋楽器独奏あるいは邦楽器との合奏の流行を引き起こした。」

(林淑姫「楽譜の風景−音楽の明治・大正・昭和−」『国立国会図書館月報』628/629号、2013年7月所収より)