書籍目録

『マック・ワールド』創刊号

[スティーブ・ジョブズ] / (橋口五葉)(新版画)

『マック・ワールド』創刊号

1984年(2月) サンフランシスコ刊

[Jobs, Steven Paul] / [Kare, Susan] / [Hashiguchi, Goyo]

MACWORLD: The Mackintosh Magazine. Premier issue.

San Francisco, PC World Communications, Inc, (February) 1984. <AB202413>

Sold

23.0 cm x 27.5 cm, pp.[1], 2-32, advertisement leaf, pp.[33], 34-143, [144], advertisement leaf, Original pictorial paper wrappers.
表紙の一部に掠れや汚れが見られるが概ね良好な状態。

Information

ジョブズがこよなく愛した橋口五葉「髪梳ける女」をスーザン・ケアがMac上で再現

 本書は、マッキントッシュ社が自社製品の販売促進のために発行している雑誌『マック・ワールド』の創刊号で、1984年2月に刊行されたものです。若かりしのスティーブ・ジョブズ(Steven Paul Jobs, 1955 - 2011)とm当時最新のApple社のコンピューター3台が表紙となっていて、そのうちの1台のコンピューターのモニターには、新版画の名手の一人とし名高い橋口五葉の「髪梳ける女」が映し出されています。

 ジョブズが新版画を愛好していたことはつとによく知られており、Apple社が発行した雑誌の記念すべき創刊号の表紙をこのようなデザインにしたのも、おそらくジョブズ自身の発案によるものと推測されます。モニター上に映し出された橋口五葉の「髪梳ける女」は、Apple社のコンピューターで作成できるグラフィックのポテンシャルをアピールするために制作されたようで、グラフィックデザイナーのスーザン・ケア(Susan Kare, 1954-)がジョブズが所有していた「中国の美しい木版画本」(a beautiful book of chinse woodcuts)の「東洋の少女」(Oriental Girl)を再現したとされています。後年、スーザン・ケアはApple社のコンピューターのために数多くのアイコンやグラフィックをデザインしたことで知られており、本書で紹介されている、橋口五葉の「髪梳ける女」の再現はその最初期の活躍の一つと言えるものでしょう。

 また、この創刊号の誌面では、Apple社にとって永遠のライバルとも言えるマイクロソフト社の創業者ビル・ゲイツ(Bill Gates, 1955-)のインタビュー特集記事も掲載されているほか、本書刊行当時のApple社の主要メンバーの紹介などもあり、今や世界を代表するコンピューター会社となった同社の創業初期の様子がうかがえる大変興味深い内容となっています。