書籍目録

「ユニヴェール・イリュストレ:第214号(1862年6月19日号)

レヴィ / (日本二十六聖人殉教事件)

「ユニヴェール・イリュストレ:第214号(1862年6月19日号)

1862年 パリ刊

Lévy, Michel (ed.).

L’UNIVERS ILLUSTRÉ: JOURNAL HEBDOMADAIRE. 5e ANNÉE. No 214. Jeudi 19 Juin 1862.

Paris, Librairie de Michel Lévy Frères, 1862. <AB2023164>

Reserved

28.5 cm x 39.2 cm, pp.[225], 226-232, Disbound (extracted from bound volume)
未製本の状態。

Information

1862年6月8日にローマで行われた「日本二十六聖人」列聖式の様子をいち早く絵入で報じたパリの週刊誌記事

 本誌は、当時の欧米各国で流行した木口木版による豊富な図版を多用した絵入週刊誌の一つで、1858年にレヴィ(michel Lévy Frères, 1821 - 1875)によって創刊されパリで発行されていた「ユニヴェール・イリュストレ」という週刊誌の1862年6月19日号です。この号では、同年6月8日にローマで行われたいわゆる「日本二十六聖人」の列聖式の場面を描いた速報記事が掲載されていて、当時の列聖式の様子やそれがどのようにリアルタイムに報じられていたのかを垣間見ることができる大変興味深い資料となっています。

「1861年12月23日、教皇ピオ9世は1597年の長崎の殉教者のうち、フランシスコ会関係の23名の列聖を許可する旨宣告し、翌年3月25日、イエズス会の3人の殉教者に対しても同様の宣言が行われた。次いで同年6月8日、26殉教者の列聖式がサン・ピエトロ大聖堂において挙行された。列聖式の模様は当時の出版物によって知りうるが、大聖堂内部は殉教のエピソードを描いた多数の絵で飾られていたという。日本のカトリックの歴史を通じて初めて聖人に列せられたこれら26殉教者に対する崇敬はこの機会に再びにわかに高まり、1852年だけでもローマ・ブレダ・パリ・リール・ルツェルン・マドリード・ヴァレンシア・マインツ・トゥールーズ・ダブリンなどで17種以上の書物が刊行された。」
(越宏一「美術における日本26殉教者:その作品カタログ」『国立西洋美術館年報』第8巻、1975年所収論文、21ページより)