Category 明治期以降の海外における日本研究（日本人による欧文著作含む）

太平洋地域情報局

『米戦艦ミズーリ：日本降伏の光景』

1945? 刊行地不明

Intelligence Center Pacific Ocean Areas (ICPOA)

U.S.S. Missouri: Scene of Japanese Surrender.

s.l, Intelligence Center Pacific Ocean Areas (ICPOA), 1945?. <AB2023133>

Sold

Small oblong (13.7 cm x 18.0 cm), 4 leaves including both covers, Original pictorial paper wrappers.
中心部に折り皺があるが概ね良好な状態。

Information

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「日本を負かしたことと、富士山を捉えるということを同時に表現した最もリアルな実例は、富士山を背景に置いて東京湾上のミズーリ号でおこなわれた降伏文書の調印式であった。太平洋方面統合情報センターに発行された「ミズーリ　日本降伏の光景」と題された8ページの小冊子は、日本の降伏後すぐに、海軍の兵士へと配られたものである。この冊子のなかには、ミズーリ号を上から捉えた航空写真と、降伏文書へ署名した日米の面々の集合写真が掲載されている。また、このパンフレットの裏表紙には、富士山の奥に沈む太陽と東京湾のアメリカ艦隊が写った写真が掲載されており「沈む太陽」というタイトルが付けられている。そこでは、戦争の終結と、「日出る国（日本）」の終焉をかけた巧みな語呂合わせがなされている。この写真はたしかに、アメリカの艦隊が東京湾と富士山を占領したという、ペリー提督の記念誌のイメージを思い出される。そしてこの写真によって、アメリカが再び富士山によって象徴される日本を占領したというメッセージが伝えられているのである。」
（H・バイロン・エアハート / 井上卓哉（訳） / 宮家準（監訳）『富士山：信仰と表象の文化史』慶應義塾大学出版会、2019年、286, 287ページより）