書籍目録

『日本食覚書』

日本交通公社 / 勝俣銓吉郎(ワセダ・エーサク)

『日本食覚書』

(改訂版) 1946年 東京刊

Japan Travel Bureau / Eisaku, Waseda (Senkichiro, Katsumata).

NOTES ON JAPANESE CUISINE.

Tokyo, Japan Travel Bureau, 1946. <AB202118>

Sold

(Revised ed.)

12.7 cm x 18.1 cm, pp.1-34, Original pictorial paper wrappers.

Information

「ワセダ・エーサク」こと勝俣銓吉郎による外国人観光客のための英文日本食案内、「寿司」を追加した戦後改訂版

 本書は、戦後間もない1946年10月に、戦前のジャパン・ツーリスト・ビューローの後継機関である日本交通公社(ジャパン・トラベル・ビューロー)によって刊行された、英文日本食案内です。同じタイトルの英文案内が戦前の1930年代後半と思われる時期に出版されており、その改訂版として再版されたものと考えられます。本文を執筆したのは「Waseda Eisaku」というペンネームでビューローの機関誌『ツーリスト』に多くの記事を寄せていた勝俣銓吉郎です。表紙に記されているように、すき焼き、蒲焼、天ぷら、そば、寿司、について記されていて、どのような食べ物であるのかの紹介、食べ方、おおよその価格帯、地域ごとのスタイルの違いや歴史といった興味深い内容となっています。当時から、外国人観光客の間で高い人気を誇っていたすき焼きを筆頭に写真やイラストを交えながらユニークな記事が展開されていて、現代の視点から見るとかえって新鮮な内容となっています。記事の内容は概ね戦前に刊行されたものをほぼそのまま踏襲していますが、写真や図版は変更されていて、また戦前版にはなかった「寿司」の紹介記事が追加されているのも大変興味深い点です。