書籍目録

『日本食覚書』

ジャパン・ツーリスト・ビューロー / 勝俣銓吉郎(ワセダ・エーサク)

『日本食覚書』

1930年代 刊行地不明

Japan Tourist Bureau / Eisaku, Waseda (Senkichiro, Katsumata).

NOTES ON JAPANESE CUISINE.

1930th. <AB202117>

Sold

12.8 cm x 18.8 cm, pp.1-30, Original pictorial paper wrappers.
当時の利用者によるものと思われる書き込みが表紙等にあり。

Information

「ワセダ・エーサク」こと勝俣銓吉郎による外国人観光客のための英文日本食案内

 本書は、1930年代後半に出版されたのではないかと思われる、来日外国人旅行者のための英文日本食案内です。ジャパン・ツーリスト・ビューローによって出版されていますが、本文を執筆したのは「Waseda Eisaku」というペンネームでビューローの機関誌『ツーリスト』に多くの記事を寄せていた勝俣銓吉郎です。表紙に記されているように、すき焼き、蒲焼、天ぷら、そば、について記されていて、どのような食べ物であるのかの紹介、食べ方、おおよその価格帯、地域ごとのスタイルの違いや歴史といった興味深い内容となっています。当時から、外国人観光客の間で高い人気を誇っていたすき焼きを筆頭に写真やイラストを交えながらユニークな記事が展開されていて、現代の視点から見るとかえって新鮮な内容となっています。巻末には東京近郊が中心ですが、おすすめの料理店名も掲載されていて、本書を読んで関心を持った読者が実際に料理を食べに行けるようになっています。現代では日本食を代表する人気メニューと言える寿司については、本書では言及されていない点など、日本食への嗜好やイメージの違いを考える上でもとても興味深い1冊と言えるでしょう。