書籍目録

『日本における初期(16, 17世紀)のフランシスコ会士たち』(「布教シリーズ」第6巻)

オイテンブルク

『日本における初期(16, 17世紀)のフランシスコ会士たち』(「布教シリーズ」第6巻)

1959年 姫路刊

Uyttenbroeck, Thomas.

EARLY FRANCISCANS IN JAPAN. (MISSIONARY BULLETIN SERIES, VOL. VI)

Himeji, (printed and bound for the Committee of the Apostolate by) KishimotoPrinting Co, A.D.1959. <AB2017103>

Sold

18.7 cm x 26.0 cm, Fly title, Title, blank leaf, Front, pp. I-III, 1-135, Original paper wrappers with tissue guard.
保護用薄紙によるカバー

Information

戦後活動を再開した姫路で刊行された16, 17世紀日本におけるフランシスコ会活動の歴史を綴る貴重文献

 本書は、1959年と戦後の比較的新しい時期に姫路で刊行された文献で、16, 17世紀の日本におけるフランシスコ会の活動の歴史を纏めた貴重な資料です。日本で刊行されたものですが、全文が英語で書かれています。

 著者はフランシスコ会の神父として当時活動していたオイテンブルク(Thomas Uyttenbroeck, ? - 1973)で、3部構成で本書を著しました。第一部は、1593(文禄2)年に日本を最初に訪れたフランシスコ会士であるバプチスタ(Pedro Baptista, 1545 - 1597)の入国、秀吉との謁見、そしてサン・フェリペ号事件に端を発した1597(慶長元)年26聖人殉教事件による殉教までを描きます。第二部は、バプチスタの殉教後に次第に勢力を拡大していく時期を中心に1614(慶長19)年の家康による慶長の禁教令までの時期を描きます。この第二部では、伊達政宗による慶長遣欧使節の企画者、正使として、支倉常長と共にヨーロッパに渡ったルイス・ソテロ(Luis Sotelo, 1574 - 1624)、並びに慶長遣欧使節の詳細と評価については特に詳しく記してあります。最後の第三部は、1614(慶長19)年以降、厳しさを増していくキリスト教弾圧と相次ぐ殉教事件についてを描きます。

 本書は、1980年に中央出版社から石井健吾氏の翻訳で『十六〜十七世紀の日本におけるフランシスコ会士たち』という邦題で翻訳版が出版されていますが、この英語原文は、その発行部数が多くなかったせいと思われますが、現在国内外問わず入手が極めて難しい文献となっています。キリシタン研究の文献で引用されることもしばしばある資料だけに、英語原著は研究資料として大変重要な文献と言えます。

目次①
目次②
目次③
目次④