概要
このセットは、19世紀後半のフランスを代表する東洋学者ロニー(Léon de Rosny, 1837 - 1914)が中心となって刊行された、日本と中国、そしてインドシナ地域等を対象した研究成果が発表された雑誌のセットです。この雑誌には、歴史学、文学、民族誌学、言語学といった多岐にわたる当時最新の日本研究が数多く掲載されていて、同時代の日本関係欧文資料として注目すべき研究雑誌です。
その執筆者には、ロニー自身はもちろんのこととして、幕末に薩摩藩と交流を深め明治以降は外交官として活躍したモンブラン(Comte Charles Montblanc, 1833 - 1894)、無政府主義者の革命家として知られ、日本語研究者としても活躍したレフ(レオン)・メーチニコフ(Léon Metchnikoff, 1838 - 1888) 、元軍医で外国人医学教師として新潟で医学教育に尽力したことで知られるヴィダル(Jean Paul Isidore Vidal, 1830 - 1896)といった多方面で活躍した錚々たる面々の名を見ることができます。
また、日本自身からの研究報告が掲載されていることも特筆すべきで、ロニーが初代日本語教授となったパリ東洋語学校(Ecole spéciale de Langues Orientales Vivantes)で日本語講師を務めた今村和郎(Warau Imamura)、幕末に長州藩派遣留学生としてフランス、ベルギーに渡り法学を修め、帰国後は司法分野で要職を歴任した小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)らによる寄稿文を数多く見ることができるほか、本誌に掲載されている会員名簿では、福澤諭吉、福地源一郎といった日本の多くの著名人が名を連ねていることを見ることもできます。
本誌は分冊形式で刊行されたこともあって、全巻揃いで所蔵している研究機関は国内外問わず極めて少ないため、これまで日本関係欧文資料として、ほとんど注目されてきませんでしたが、このセットは、1877年に創刊された第1巻から1891年の最終第10巻のうち、第3巻第1号、第7巻を除く全ての巻が揃っており、本誌の全貌を知ることができる大変貴重なセットとなっています。
ロニーによる日本研究の全貌理解に伴う困難
本誌の刊行において中心的な役割を果たしたロニーは、十代半ばからすでに中国や日本に関する研究論文を発表し、19世紀半ば以降におけるフランスを代表する東洋学研究者として活躍しました。特に日本研究に対する関心が深く、1862年のいわゆる文久遣欧使節がヨーロッパを歴訪した際には使節らと親交を深め、福沢諭吉や福地源一郎などとも交流を続けています。1863年にフランス国立東洋語学校において最初の日本語講座が開設された際、ロニーは初代講師に任命(1869年に教授に任命)され、以後定年で1907年に退職するまでその職にありました。
ロニーは、その多彩な研究活動を展開するために、多くの協会(学会)を設立してフランス内外からなる多くの研究家のネットワークを構築し、その研究成果の発表の場として、協会ごとに機関誌として数多くの雑誌を刊行しています。こうした多彩な顔ぶれとの他分野にわたるコラボレーションと並行して、ロニーは日本語テキストの執筆、刊行、単著の刊行も積極的に行い、夥しい数の研究成果を残しました。それゆえに、ロニーの多岐にわたる研究分野、内外のネットワーク、刊行された雑誌の変遷、といったロニーの研究像の全貌を把握することは容易ではなく、現在においてもなお精力的な研究が継続されています。
こうした全貌が見えにくいロニーの研究活動において、とりわけその把握が難しいのが、雑誌刊行に関わる部分です。ロニーが設立に関わった協会は、その発展に応じて頻繁に名称を変更していて、またそれと合わせて雑誌名の変更、統廃合、或いは分化がなされたことから、どの雑誌にどのような分野の研究成果が掲載されていたのか、特定の雑誌がどのような変遷を辿ったのかを知ることが非常に難しくなっています。ロニーやそのネットワークによって展開された研究成果は、各雑誌に発表され、しかもそこでしか見ることができないものが多数あるにもかかわらず、現在ではその全貌を知ることが難しいという状況は、彼の関わった日本研究の全貌を知る上においても大きな障害となっています。
ロニーによる日本研究を中心課題とした機関、雑誌の変遷
だからこそ、今回ご案内するセットのように、特定の雑誌のほぼ全巻を揃って見ることができるということは、極めて重要な意味を持っていると言えますが、本誌を手引きの一つとして、ロニーよる東洋学研究の展開、とりわけ日本研究の展開を辿ってみることが可能になります。ロニーによる日本を中心とした東洋学研究は、初期においては特定の地域に限定しない民族誌学研究機関において展開されましたが、研究の進展に従って次第に地域ごとに分化していきました。この複雑な展開を全て追うことは非常に困難ですが、彼による日本研究を中心課題とした機関と、その協会誌(本誌)の変遷を簡単にたどってみますと、次のように整理できます。
[1859年]
アメリカ・東洋民族誌学協会( Société d’Ethnographie américaine et orientale) 発足
→『東洋・アメリカ評論雑誌( Revue orientale et américaine) 』創刊
[1864年]
『民族誌学協会 (Société d’Ethnographie)』に改名、三部門が発足
①民族誌学一般部門 (Section Ethnographie générale)
②アメリカ考古学委員会 (Comité d’Archéologie américaine)
③東洋アテーネ (Athénée oriental)(*日本研究はここに含まれる)
1859年にそれまで各種乱立していたフランスの東洋学研究を包括する形で、アメリカ・東洋民族誌学協会が発足し、協会誌として『東洋・アメリカ評論雑誌』が創刊されます。この雑誌は、その後協会が名前や組織を変更して行っても継続して刊行され続けています。さらに、1864年には民族誌学協会へと名前を変えて、①民族誌学一般を対象とする部門、②南北アメリカを対象とする部門、③それ以外の東洋全般を対象とする部門の三部門が設けられ、それぞれが独自に活動を展開していくようになります。日本研究は、このうち③の部門のもとに発展していくことになります。以下、さらにこの③の部門の変遷、ならびに本誌との関係を辿っていきますと次のようになります。
[1873年]
日本・中国・韃靼・インドシナを対象とする部門が独立
④日本・中国・韃靼・インドシナ協会 (Société des études japonaises chinoises, tartares et indochinoises)
→協会誌として『蓮(Le Lotus)』創刊
[1877年]
本誌第1巻が、1873年まで遡及(1873-76)して刊行される(『蓮』は本誌に合流・吸収?、本誌第5巻以降は「蓮」の表記が表紙に加えられている)。
[1880年]
本誌第2巻が、1878年まで遡及(1878-79)して刊行される。
[1884年]
本誌第3巻が、1880年まで遡及(1880-1884)して刊行される。
[1885年]
太平洋地域を対象に加え、協会名を「日本・中国・韃靼・インドシナ・太平洋研究協会 (Société des études japonaises, chinoises, tartares, indochinoises et océaniennes) 」へと変更。
本誌第4巻(1885)が刊行される。
[1886年]
本誌第5巻(1886)が刊行される。
表紙に「蓮(Le Lotus)」の表記が加わる(ただし、タイトルページ表記は変更されず)。
[1887年]
本誌第6巻(1887)が刊行される。誌名に、1885年の協会名変更に合わせて「太平洋」(oceeaniennes)が加えられる。
[1888年]
協会名を「中国・日本、太平洋協会 (Société sinico-japonaise et océanienne)」に変更。
本誌第7巻(1888)が刊行される(今回ご案内セットでは欠号)。
誌名から「太平洋」の記載が再び消える。
[1889年]
太平洋部門と、中国・日本研究部門が分化、それぞれ下記の協会として発足。
・太平洋協会(Société océanienne)
・民族誌学協会中国・日本研究委員会(Comité sinico-japonais de la Société d’Ethnographie)
本誌第8巻(1889)が、後者の協会誌として刊行される。
誌名を協会名に合わせて『日本・中国研究協会雑誌』へと変更。
[1890年]
本誌第9巻(1890)が刊行される。
[1891年]
本誌最終第10巻(1891)が刊行される。
第11巻以降は単著のシリーズ(叢書)として不定期に刊行された模様(第20巻までか?)で、雑誌としての刊行は、この第10巻が最終巻と思われる。
一見すると非常に複雑で、誌名をたびたび変更していることから、その全体像がわかりにくくなっていますが、ロニーが中心となって運営していた日本と中国研究を任務とする組織の変遷とともにたどっていくと、一貫して本誌がその協会誌としての中心的役割を担ってきていたことがよくわかります。
本誌の重要性と希少性から見た研究価値
このように本誌は、ロニーが中心となって形成された、ヨーロッパにおける多彩な日本研究の発表の場として展開された極めて重要な日本研究文献と言えるものですが、雑誌名が幾度も変更され、また分冊の形で刊行されていたこともあってか、国内外の研究機関でまとまって所蔵しているところは非常に限られています。また本誌は、現在の古書市場に滅多に出現することがなく、また出現したとしても分冊のごく一部でしかないことが多いため、全10巻中のうち9割近くが含まれているという、今回のセットでの出現は、その内容における重要性のみならず、希少性という点においても大変貴重なものと言えます。
各巻・号の書誌情報と、収録されている日本関係記事明細
1)『第1巻:1873−1876年』(全3号合冊)
MÉMOIRES DE LA SOCIÉTE DES ÉTUDES JAPONAISES CHINOISES TARTARES ET INDO-CHINOISES.
TOME PREMIER: 1873-76.
PUBLIÉ Par Émile BURNOUF et IMAMURA-WARAU secrétaires.
Paris: Edouard Rouveyre, 1877
3 issues bound in 1 vol.
8vo (14.0 cm x 22.0 cm)
Half Title., Title., 2 leaves, pp.[1-3], 4-184.
*全3号が1冊に合冊、綴じやカバーが外れている箇所あり。ビニールカバー(取り外し可)あり。
第1巻収録日本関係記事
[1873年]
* 「会の現状についての報告」(今村和郎(Warau Imamura)他 / 6-8頁)
* 「日本文を(アルファベットに)転写するための独自体系の確立に関する質問」(J. Le Vallois, サラザン(François Sarazin, 1838 - 1906) / 9-19頁)
* 「東洋芸術一般,特に日本の芸術についての問い」(J. Geslin / 20-24頁)
* 「ロシアにおける日本文学についての書簡」(レフ(レオン)・メーチニコフ(Léon Metchnikoff, 1838 - 1888) / 25-30頁)
* 「日本の養蚕業について」(フェリクス・ジレ(Felix Gillet, 1835 - 1908) / 31-39頁)
[1874-1875年]
* 「日本のおけるポルトガル由来のいくつかの風習について)(今村和郎 / 113-120頁)
[1876年]
* 「ロニー氏による講演(日本について多数言及)」(161-168頁)
* 「モンブラン氏による講演(日本について多数言及)」(168-172頁)
* 「折熨斗の使い方について」(ロニー / 183-184頁)
2)『第2巻:1878年-1879年』(全4号合冊)
MÉMOIRES DE LA SOCIÉTE DES ÉTUDES JAPONAISES CHINOISES TARTARES ET INDO-CHINOISES.
TOME SECOND: 1878-79.
PUBLIÉ Par P. DE LUCY-FOSSARIEU secrétaire.
Paris: Edouard Rouveyre, 1880.
4 issues bound in 1 vol.
8vo (14.0 cm x 22.0 cm)
Half Title., Title., 2 leaves, pp.1-112, 115-208.
*全4号が1冊に合冊、綴じやカバーが外れている箇所あり。ビニールカバー(取り外し可)あり。
第2巻収録日本関係記事
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第1:源氏の歴史; 平氏の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 1-40頁)
* 「日本の著名なカップル:『義烈百人一首』より抜書き」(ロニー訳・解説 / 99-112頁)
* 「中国と日本の固有名について」(バスティード(Louis Bastide, 1856 - 1914) / 115-118頁)
* 「『鳩翁道話』抜書き」(モンブラン(Comte Charles Montblanc, 1833 - 1894)訳・解説 / 135-153頁)
* 「日本の農業と産業の方法:『太布』」(Le Comte de Castillon 訳・解説 / 165-172頁)
* 「(日本の農業と産業の方法):『キノコの木(椎茸の原木)』」(Le Comte de Castillon, 今村和郎訳・解説 / 173-181頁)
* 「日本のカマイタチの迷信について」(ヴィダル(Jean Paul Isidore Vidal, 1830 - 1896) / 183-188頁)
* 「プフィッツマイヤー『日本語辞典』について」(著者表記なし / 189-190頁)
* 「日本研究会年次報告」(ロニー / 191-203頁)
3)『第3巻:1880−1884年』(第2号〜第4号分冊)(第1号のみ欠号)
MÉMOIRES DE LA SOCIÉTE DES ÉTUDES JAPONAISES CHINOISES TARTARES ET INDO-CHINOISES…PUBLÉS par M. Le Dr. LEGRAND Secrétaire-Trésorier. TOME TROISÉME: 1880-1884.
Paris: Masionneuver FRÈRES et Ch. Leclerc, 1884.
(第3巻第4号末尾に収録されている第3巻全体のタイトルページより)
3 issues of 4 issues (lacking 1st issue): 3-2) pp.29-108. / 3-3) pp.109- 212. / 3-4) pp.213-314, 2 leaves(Title. for vol. 3).
8vo (14.5 cm x 22.3 cm)
*いずれも綴じやカバーが外れている箇所あり。第2巻は裏表紙欠損、第3, 4号はビニールカバー(取り外し可)あり。
第3巻収録日本関係記事
* 「中山道」(ムロテ(A. Mellotée) / 29-43頁)
* 「印章、落款について」(G. Leroy / 82-92頁)
* 「(本居)宣長と日本の宗教についての解説」(ロニー / 151-172頁)
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第2:源氏の歴史; 源氏の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 213-231頁)
* 「日本の歴史書と歴史小説についての評論」(セヴェリーニ(Antelmo Severini, 1828 - 1909) / 232-240)
* 「戸谷新右衛門の物語:『民権百家伝』より」(松波?(Matu-Nami)役・解説 / 254-269頁)
* 「日本における琺瑯(エナメル)の利用について」(ブイレ(Henri Bouilhet, 1830 - 1910) / 291-294頁)
4)『第4巻:1885年』(第1号〜第4号分冊)
MÉMOIRES DE LA SOCIÉTE DES ÉTUDES JAPONAISES CHINOISES TARTARES ET INDO-CHINOISES…PUBLÉS LÉON DE ROSNY … TOME QUAREIÈME: 1885.
Paris: Masionneuver FRÈRES et Ch. Leclerc, 1885.
4 issues : 4-1) pp.[1(Half Title.)-3(Title.), 4], 5-80, 1 leaf(plate). / 4-2) pp.81-176. / 4-3) pp.177-272. / 4-4) pp.273-294, 1 plate leaf, pp.295-344.
8vo (14.5 cm x 22.0 cm)
*いずれも綴じやカバーが外れている箇所あり。第1号、第4号はビニールカバー(取り外し可)あり。
第4巻収録日本関係記事
* 「『萬葉集』日本古来の歌選集(その1)」(松波正信 (Matsu-Nami Masa-Nobu)役・解説) / 5-16頁)
* 「『蜂闘:蜂の闘い」(セヴェリーニ訳・解説 / 17-20頁)
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第3:源氏の歴史; 源氏の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 21-34頁)
* 「蝦夷:アイヌ」(アンティ(Pierre-Rémi Bons d'Anty, 1859 - 1916) / 35-46頁)
* 「極東における旗章とその基準について」(O. Pitrou / 47-54)
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第4:北条氏の時代序文」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 115-136頁)
* 「日本の書物・稿本・写本コレクション目録(その1)」(Dr. Mourier / 161-176頁)
* 「トルコ語文法と日本語文法の比較例(その1)」(ロニー / 192-201頁)
* 「『萬葉集』日本古来の歌選集(その2)」(松波正信 (Matsu-Nami Masa-Nobu)役・解説) / 202-211頁)
* 「家康の遺志(『武家百箇条』)」(C.A. Pret / 212-233頁)
* 「日本の書物・稿本・写本コレクション目録(その1)」(Dr. Mourier / 257-272頁)
* 「日本の芸術作品における菊」(Edouard Mene / 273-294頁
* 「日本の名称について」(ロニー / 323-327頁)
5)『第5巻:1886年』(第1号〜第4号分冊)
MÉMOIRES DE LA SOCIÉTE DES ÉTUDES JAPONAISES CHINOISES TARTARES ET INDO-CHINOISES…PUBLÉS LÉON DE ROSNY … TOME CINQUIÈME: 1886.
Paris: Masionneuver FRÈRES et Ch. Leclerc, 1886.
4 issues : 5-1) pp.[1(Half Title.)-3(Title.), 4], 5-80. / 5-2) pp.81-130, 1 colored plate leaf, pp.131-152. / 5-3) pp.153-216. / 5-4) pp.217-280.
8vo (14.2 cm x 22.8 cm)
*いずれも綴じやカバーが外れている箇所あり。
第5巻収録日本関係記事
* 「日本の古代王朝について」(レフ(レオン)・メーチニコフ(Léon Metchnikoff, 1838 - 1888) / 5-22頁)
* 『日本外史』日本の独立した歴史。第5:後北条氏の時代序文」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 48-60頁)
* 「日本の書物・稿本・写本コレクション目録(その3)」(Dr. Mourier / 69-80頁)
* 「神道における古来の神々について」(ロニー / 104-128頁)
* 「日本コレクションにおける稿本、写本、絵画について」(Alexandre Auguste Lesouëf / 128-131頁)
* 「日本の書物・稿本・写本コレクション目録(その4)」(Dr. Mourier / 145-152頁)
* 「カタキウチ:日本の合法的な復讐(『忠臣蔵』)(その1)」(ドートルメ (Joseph Dautrmer, 1860 - 1946)訳・解説 / 217-231頁)
* 「日本の産科についての覚書」(Dr E. Verrier / 260-262頁)
6)『第6巻:1887年』(第1号〜第4号分冊)
MÉMOIRES DE LA SOCIÉTE DES ÉTUDES JAPONAISES CHINOISES TARTARES, INDO-CHINOISES ET OCÉANIENNES…PUBLÉS LÉON DE ROSNY. TOME SIXIÈME: 1887.
Paris: Masionneuver FRÈRES et Ch. Leclerc, 1887.
4 issues : 6-1) pp.[1(Half Title.)-3(Title.)-5], 6-32, 1 colored plate leaf, pp.33-64. / 6-2) pp.65-120, 1 plate leaf, pp.121-128. / 6-3) pp.129-192. / 6-4) pp.193-272.
8vo (15.0 cm x 22.7 cm)
*いずれも綴じやカバーが外れている箇所あり。第1号はビニールカバー(取り外し可)あり。
第6巻収録日本関係記事
* 「日本と中国の演劇について」(Marceron / 42-50頁)
* 「詩人、(小野)小町についての覚書」(ロニー / 51-53頁)
* 「カタキウチ:日本の合法的な復讐(その2:『曽我兄弟の仇討ち』)」(ドートルメ (Joseph Dautrmer, 1860 - 1946)訳・解説 / 89-102頁)
* 「樺太島について」(Wl. Hegel / 176-180頁
* 「極東における印刷の起源について」(Ach. Peuvrier / 181-186)
* 「カタキウチ:日本の合法的な復讐(その3 / 完:『曽我兄弟の仇討ち(続き)』)」(ドートルメ (Joseph Dautrmer, 1860 - 1946)訳・解説 / 216-237頁)
*第7巻は欠
8)『第8巻:1889年』(第1号〜第4号合冊)
MÉMOIRES DE LA SOCIÉTÈ SINICO-JAPONAISE PUBLIÈS par LÉON DE ROSNY. TOME HUITIÈME: 1889.
Paris: Masionneuver, 1889.
4 issues bound in 1 vol. pp.[1(Half Title.)-3(Title.)-5], 6-128, 1 plate leaf, pp.129-256.
8vo (15.0 cm x 23.0 cm)
*オリジナルの表紙の代わりに黄色の用紙で簡易紙装丁が施されている。綴じに緩み、外れ箇所あり。ビニールカバー(取り外し可)あり。
第8巻収録日本関係記事
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第7:毛利氏、織田の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 20-38頁)
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第8:豊臣の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 94-103頁)
* 「仏僧、良純の並外れた力」(ロニー / 104-111頁)
* 「(1889年パリ万博)の極東地域展示(その1)」(C. Sainson / 112-126頁)
* 「1889年パリ万博における日中の展示」(127-128頁)
* 「(1889年パリ万博)の極東地域展示(その2 / 完)」(C. Sainson / 129-145頁)
* 「お盆、あるいは江戸における死者の饗宴」(ドートルメ / 163-166頁)
* 「ジャポニカ(日本語):民俗学的、文献学的覚書」(Hans Oetel / 193-196頁)
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第8(ママ):秀吉の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 197-209頁)
9)『第9巻:1890年』(第1号〜第4号分冊)
MÉMOIRES DE LA COMITÉ SINICO-JAPONAISE PUBLIÈS par LÉON DE ROSNY. TOME HUITIÈME: 1890.
Paris: Masionneuver, 1890.
4 issues : 9-1) pp.[1(Half Title.)-3(Title.)-5], 6-64. / 9-2) pp.65-128. / 9-3) pp.129-192. / 9-4) pp.193-256.
8vo (15.0 cm x 22.7 cm)
*いずれも綴じやカバーが外れている箇所あり。4号ともビニールカバー(取り外し可)あり。
第9巻収録日本関係記事
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第9:秀吉の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 16-29頁)
* 「仏教についての覚書(その1:中国と日本におけるパーリ仏典ほか)」(フーコー(Philippe Édouard Foucaux, 1811 - 1894) / 50-61頁)
* 「『日本外史』日本の独立した歴史。第10:徳川氏の時代」(小倉右衛門(介)(Ogura Yémon, 馬屋原二郎の変名)訳・解説 / 92-29頁)
* 「サンスクリットー中国語対照(日本語一部含む)仏教用語集」(ロニー / 129-192頁)
10)『第10巻:1891年』(第1号〜第4号分冊)
MÉMOIRES DE LA COMITÉ SINICO-JAPONAISE PUBLIÈS par LÉON DE ROSNY. TOME HUITIÈME: 1891.
Paris: Masionneuver, 1891.
4 issues : 10-1) pp.[1(Half Title.)-3(Title.)-5], 6-64. / 10-2) pp.65-128. / 10-3) pp.129-192. / 10-4) pp.193-256.
8vo (15.0 cm x 22.7 cm)
*いずれも綴じやカバーが外れている箇所あり。4号ともビニールカバー(取り外し可)あり。
第10巻収録日本関係記事
* 「日光の起源」(ドートルメ / 43-50頁)
* 「日本の版画研究(その1)」(Jacques Tasset, 51-64頁)
* 「日本の版画研究(その2 / 完)」(Jacques Tasset, 65-88頁)
* 「日本の貿易:その歴史と現状をフランスとの関係を中心に(その1)」(Georges Bourgarel / 89-108頁)
* 「神道について」(André Salomon / 129-155頁)
* 「日本の貿易:その歴史と現状をフランスとの関係を中心に(その2 / 完)」(Georges Bourgarel / 156–175頁)
* 「全10巻の索引」(D. Marceron / 213-246頁)
なお、ロニー研究の最新の成果としては、下記の文献等が大いに参考となります。
Bénédicte Fabre-Muller...[etal.] (eds.)
Léon de Rosny: 1837-1914. De l'Orient àl'Amérique.
Presses Universitaires du Septentrion, 2014.
Noriko berlinguez-Kôno (ed.)
La genèse des études japonaises en Europe: Autour du fonds Léon de Rosny de Lille.
Presses Universitaires du Septentrion, 2020.
『レオン・ド・ロニーと19世紀欧州東洋学』
二松学舎大学私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「近代日本の「知」の形成と漢学」、2019年(非売品)
町泉寿郎(編)
『レオン・ド・ロニーと 19世紀欧州東洋学 :旧蔵漢籍の目録と研究』
汲古書院、2021年