書籍目録

『東洋汽船会社社主 浅野総一郎の紫雲閣案内ブックレット』(仮題)

東洋汽船会社

『東洋汽船会社社主 浅野総一郎の紫雲閣案内ブックレット』(仮題)

写真解説は英文表記 1917年? 刊行地不明

<AB2020375>

Sold

Oblong (13.8 cm x 18.0 cm), 10 leaves including covers, Original pictorial card boards, bound in Japanese style.

Information

東洋汽船会社社主の浅野総一郎が自社の一等船客を招いてもてなした壮大な邸宅、紫雲閣を英文で紹介したフォトブック

 このブックレットは、東洋汽船会社社主の浅野総一郎が、自社の一等船客として来日した外国人をもてなすために東京三田に建てた壮大な邸宅である紫雲閣を英文と写真で紹介したものです。浅野総一郎が東洋汽船を創立したのは、当然ビジネスとしての営利追求があったことは確かですが、同時に特にアメリカを中心とした諸外国と日本との友好、親善を深めることも大いにその目的であったと言われていて、そのことを裏付けるように、浅野は資材を投じて、自社船で来日した外国人を歓待するための邸宅として紫雲閣を建てました。外国人観光客を迎えるためという目的に沿うように、天井、柱、階段、襖、欄間といったあらゆる要素に当時最高水準の技術を惜しみなく投入し、日本美術の趣向を凝らした内装、外装で豪華に飾るとともに、内部には多くの日本美術品が飾られていました。現代の視点から見るとやや過剰とも思える装飾が施された紫雲閣は、東洋汽船で来日する外国人観光客の名物にもなっていたようで、当時来日した外国人観光客が残したガイドブックや、パンフレットには浅野による招待状が挟み込まれていたり、紫雲閣を訪ねた際の感想を記した記述がみられるなど、浅野の目的は一定の成果を上げていたのではないかと思われます。このブックレットは、紫雲閣の内部と外部の見所を写真と英文で案内したもので、戦災によって焼失してしまった紫雲角の在りし日の姿を知ることができる大変貴重なものです。おそらくは、東洋汽船の一等船客に招待状と一緒に配られたものか、あるいは紫雲角を訪れた際に記念に配られたものではないかと思われます。